「ワイヤレスジャパン2025」出展
~ 最新11ah製品とFuture Mapユースケース展示でビジネス展開を加速~


802.11ah推進協議会
広報普及TG 林 果保利

2025年5月28日~5月30日の3日間、リックテレコム主催の国内最大級の無線通信の専門展示会「ワイヤレスジャパン2025」が開催されました。ワイヤレス通信における最先端のテクノロジーとソリューションが集結する中、802.11ah推進協議会(AHPC)は(一社)無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)と共に5回目となる共同出展を行いました。

■ ワイヤレスジャパン来場者数

開催期間中の後半は悪天候に見舞われながらも、ワイヤレスジャパン全体としては昨年度比101.8%で過去最多の来場者数となり、AHPC/Wi-Bizブースにおいても昨年度を5.3%上回る延べ1,238名の来場者を獲得し大きなご反響をいただきました。昨年度よりブース規模を縮小しての出展となりましたが、毎年拡大する展示会規模と比例し想定より多くのお客様にご来場いただきました。

参考情報:
ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2025 来場者推移
2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
10,746名 14,126名 22,691名 25,566名 26,049名

802.11ah推進協議会/無線LANビジネス推進連絡会 ブース来場者推移
2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
281名 487名 638名 1,175名 1,238名

■展示ブース

今年度も、AHPC、Wi-Biz、協賛出展企業6社が集結し、AHPCエリアでは昨年の総会で発表した「Wi-Fi HaLow Future MAP」を実現する国内・台湾ベンダーの最新11ah製品の紹介とその製品を利用したユースケースとして「スマートシティ」「スマートファクトリー」における動態デモ展示を行いました。さらに、協賛出展企業6社による802.11ah製品や関連製品、ユースケース等の展示に加え、最新規格Wi-Fi7対応製品の展示も実施しました。

802.11ah推進協議会(AHPC) 展示エリア

サイレックス・テクノロジー社、コンテック社 展示エリア

ビーマップ社、日星電気社 展示エリア

メガチップス社、フルノシステムズ社 展示エリア

無線LANビジネス推進連絡会 展示エリア
 
今年度、新たにAHPCエリアに展示された国内・台湾ベンダーの製品の中には、持ち運びが容易な小型ゲートウェイ製品や11ahに加えWi-FiやBLEにも対応したゲートウェイ製品、超小型のEthernetやUSBブリッジ製品が加わり、さらに、RS-232/RS-422/RS-485などのレガシーインターフェースを持つ端末に活用可能なアダプター製品がリリースされ、特にアクセスポイント製品のラインナップが多様化しました。AHPC/Wi-Bizブースにご来場いただいた方の中には、毎年当団体のブースに足を運んでくださるような方も見られ、昨年より充実した11ah製品と実際のユースケースを想定したデモ展示や当団体スタッフとの会話等により、11ah市場の拡がりと導入に向けた取り組みが加速していることを実感いただけたのではないかと思います。

■セミナー

 今年もAHPC、Wi-Biz、協賛出展企業6社による出展社枠セミナーとブース内ミニセミナーを開催しました。これらのセミナーでは各団体、各社が持つ最新の11ah製品や実証の取り組み、11ahの導入や利用の参考となるノウハウをお伝えしました。

ブース内ミニセミナーの様子

出展社枠セミナーの様子

出展社枠セミナーでは1日100名以上の方に、ブース内ミニセミナーではブースに入れないほど多くの方にご参加いただき、セミナー後には多くのご質問やご関心を頂戴しましした。ご参加いただいた方々には、11ah製品や技術の最新動向に加え、実際のビジネス課題の解決に役立つ活用方法について、理解を広げていただく機会になったかと思います。
*セミナーにおける講演資料は後日ホームページへの掲載を予定しております。

■基調講演

会期2日目の5月29日には、Wi-Fi Alliance APACビジネス担当/マネージングディレクターのJerry Huang氏、SUNMI技術・製品担当副社長のZhou Eric 氏、China Mobile International アジア太平洋地域 商業・技術担当マネージングディレクターのLin Paul氏による基調講演が開催されました。

基調講演の様子

まず、Wi-Fi AllianceのJerry氏による講演では、900社以上となったWi-Fi Alliance加盟企業で構成するエコシステムのおかげで今のWi-Fi があることに感謝しているとお話された上で、Wi-Fi Allianceとして今後はWi-Fi 7や8の次世代技術を重要分野としてサポートし、通信品質だけでなく、新たなWi-Fi規格ができた際のデバイス間の一貫性や相互運用性の確保、世代が変わってもシームレスに繋がるようなサービス向上を図ることでイノベーションの推進に力を入れていくとお話されました。
その後、SUNMIのEric氏からは、Wi-Fi HaLowがベースになっている自社の「Hyper Wi-Fi」について、SUNMIの上海オフィスにおける2.4GHzとの比較による長距離通信性能の検証結果や持ち運びが可能なSUNMI MINI APの機能や有線/2.4GHまたは5GHz/Wi-Fi HaLowのシームレスな切替が可能なソリューションおよびヨーロッパのレストランやタイの大規模コンサートにおけるMINI APの活用の紹介がありました。
最後に、China Mobile InternationalのPaul氏は、中国全土における大手プロバイダーとして、IoTコネクティビティ向けにSIM等のサポートと車載間通信システムや煙センサー検知システム等のIoTプラットフォームの提供などIoTアーキテクチャを構成する2つの分野における自社のビジネスを例に挙げ、グローバルでのIoTビジネスにおいてWi-Fi技術が外せないものとなっていることを説明されました。

*基調講演の詳細についてはこちらをご覧ください。
 (Wi-BizホームページURL:https://www.wlan-business.org/archives/47924)

基調講演にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。当日はお三方の講演によりWi-Fi の最新状況や実際に活用ケース、今後の展開等をご理解いただけたかと思います。各世代のWi-Fiを使ったソリューションが民生や産業の分野を跨ぎ、様々な場面で活用されておりますが、今後も一緒にビジネスを拡大・構築していければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

■展示会全体を通して

同展示会への出展は5年目となりましたが、展示会場内の他ブースに比べ常に来場者に囲まれ活気のあるブースとなり、多くの方々にお立ち寄りいただけ大盛況に終えることができました。昨年と比較し「11ah」「Wi-Fi HaLow」を既にご存知の方が自社の製品やソリューションにどう活用できるのかについて、積極的に情報収集やご相談をされる方が多くいらっしゃいました。一方で、販売実績や導入実績等のご質問も多く、11ah市場の立ち上がりと拡大を待たれているお声も多く聞かれました。これも11ahへの関心と期待がより一層高まっていることを表しており、皆様の期待にお答えできるように、今後も団体加盟企業間で協力し11ahの市場拡大に寄与する様々な広報活動を実施していくと共に、ビジネス展開を加速させるための情報発信や組織連携に力を入れてまいります。

■参考情報

通信ネットワーク専門の情報サイトであるBUSINESS NETWORK様にてAHPC/Wi-Bizブースの取材による紹介記事を掲載していただきました。
https://businessnetwork.jp/article/27794/