「第7回AIoT-Exp@台湾」に出展してきました

802.11ah推進協議会事務局
国際アライアンスTG/運営委員 山田 徹

802.11ah推進協議会は昨年に引き続き10月21日(水)から10/25日(金)に台北南港展示センター ホール1にて開催された、第7回台湾国際AIoT見本市「AIoT TAIWAN」に協議会として出展してきました。
今回の取組みは、AHPCと無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)会員企業の有志が、6月の台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)で実施した、台湾CIAT(Cloud Computing and IoT Association in Taiwan)と台湾工業技術研究院(ITRI)との「合同ワークショップ@Computex 2024」の一環で、日本国内の11ah対応の商用製品を持ち込み、製品説明や日本国内における11ahのマーケット情報、市場活動の情報発信を行うとともに、台湾メーカの11ahに対する取組みや台湾の市場状況の情報収集を行いました。
本展示会について。(他展示会の特徴や日本の展示会との違いは、昨年度の同レポートを参照してください。)

● 第50回TAITRONICS + AIoT TAIWAN2024

TAITRONICSは今回で50周年を迎えた、台北国際エレクトロニクス見本市で台湾の電子機器メーカが一堂に集う展示会となります。またAIoT TAIWANは、台湾国際人工知能・IoT見本市(AIoT台湾)で、IoT技術と製品、クラウドサービス、AI、セキュテリィ等の情報通信産業関連企業が最新技術やサービス等の展示をしています。台湾を代表する電機・電子部品メーカや情報通信産業関連企業など300社超が550のブースを構え、IoTと連携した人工知能(AI)など最先端のデジタル技術や関連製品を披露しました。


今回もAHPCとして出展してきた展示会は「AIoT TAIWAN 2024」になり、協議会としてはかねてから親交のある台湾工業技術研究院(ITRI)のご支援を頂き、Cloud Computing and IoT Association in Taiwan(CIAT)のブース内「LEO & Wireless Communication」コーナで、台湾の11ah関連メーカ等と一緒に展示をしました。
AIoT TAIWANの出展物はICTやIoTを中心に、スマートIoTセンサーやクラウドアプリケーション、5G等の展示の他、「AIアプリケーションエリア」「ドローンエリア」「スタートアップエリア」を新たにもうけ7つのアリアで最新動向を紹介しています。
AHPCコーナのあるCIATブースは会場内でもメイン入口導線のそばにあり、入場口から入ると正面の位置にブースを構えて、出展場所としても申し分のないエリアで数多くの来場者を迎えています。

■会場入口とメイン導線部近くのCIAT出展ブース位置

■CIATブース

・ 展示会の模様

3日間とも開場と同時にかなりの数の来場者が展示会場内に入場し、目的の展示ブースに足を運ぶ人、入口付近のサイズが大きい展示ブースを視察する人等、日本の展示会でよくある午前の時間帯の閑散さを感じさせない盛況な展示会でした。 また、最終日には学生の来場者が多く日本の展示会との違いとして感じました。

■開場後の模様

・ AHPC出展~LEO & Wireless Communicationコーナの展示

「LEO & Wireless Communication 」コーナにはAHPCだけではなく、11ahの製品開発や国内市場活動に協力を頂いているNewracom社、台湾ベンダーのALFA NETWORK社、ASIA RF社と一緒に出展しました。AHPC含め各社の展示について紹介します。

AHPCの出展は会員企業のフルノシステムズ社11ah対応の無線ゲートウェイ、ASKEY社11ah対応カメラ、ビートクラフト社が提供する11ah対応IoTコンバータ(USBアダプタタイプとRaspberry Pi HATタイプ)、富士通クライアントコンピューティング社の日本国内POC向け11ahモジュール内蔵タブレットPC展示、スライドショウによる、日本国内の実証実験 新規周波数(850MHz帯)の状況説明 νLABの紹介 をおこないました。来場者には11ahの特性や利活用方法の紹介を行いながら、日本国内の市場動向や11ahの普及促進に向けた今後の取組みついて説明をしました。

■AHPCの展示ブースと製品

Newracom社の出展は展示スペースを最大限活用して様々な11ah対応のアクセスポイント製品やデバイス機器を接続する各種コンバータ製品、11ahモジュール等の展示をしていました。特に小型11ahと有線LANのコンバータを利用したAI Farming Machineの展示にはお客様の興味を引いていました。既に具体的な製品を紹介されているので、お客様へ現実的な利用イメージを提供していました。

■Newracom社の展示

次にALFA NETWORK社を紹介します。ALFA社は11ah市場の都市部の屋外環境やルーラルエリアにおける11ahの利活用モデルとして、耐環境性能の11ah対応AP製品を中心に、チューブ型AP、11ah対応センサー、モジュール製品を展示してしました。特に11ah対応の水位センサー(写真内緑色)は、昨今の異常気象による自然災害の予測に有効なセンサーとして多くのお客様が興味を持っておられました。

■ALFA NETWORK社の展示

ASIA RF社の出展は家庭内IoTとLEO(Low Earth Orbit/低軌道衛星通信)を組み合わせた遠隔処理のソリューションを紹介しています。 家庭内では11ahを利用し2.4G/5Gを使ったWi-Fiより広い範囲を1台のAPでカバーし、LEO使って更に広範囲のエリアをカバーするソリューションを紹介しています。

■ASIA RF社の展示

・ 11ahコーナ各社のプレゼンテーションの様子

■AHPCのプレゼンテーション

■ALFA NETWORK社のプレゼンテーション

■ASIA RF社のプレゼンテーション

・ 展示会全般の出展について

展示会場内で気になった他エリアの情報。

- LEO(Low Earth Orbit / 低軌道)通信
低軌道衛星を使った通信機器の展示が多くのメーカブースでみられた。人工衛星、電波を送受信するための自動追尾機能付のアレイアンテナやパラボラアンテナ、端末等。LEO通信と11ahを組み合わせることでより広範囲のエリアをカバーする事が可能となります。 昨今の異常気象による環境情報収集エリアが広がることで災害等に対して迅速な分析が可能となると考えます。


- ドローン産業ゾーン
 ドローンに搭載するAIやドローン本体の展示が大きなエリアで行われていました。日本では見ることができない軍事向けドローンの展示(撮影禁止)もあり、各国の置かれている立場の違いを考えさせられました。


・ 台湾AIoT-Exの出展と視察を終えて

会期中はイベント主催者の誘導による政府要人や企業団体への説明や、国内新聞の取材対応もあり、日本国内の展示会ではあまり経験することができない対応も実施しました。台湾ベンダーや関係するお客様へ日本の11ahの取り組み状況と今後について伝えることが出来、関心を深めていただけたと感じております。また、私自身台湾ベンダーの対応力とスピード感を直に感じることが出来ました。 
来年も6月には台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)が開催され、その後10月~11月にかけて「AIoT TAIWAN」含む台湾国際電子製造総合展が開催されます。
是非、会員企業の皆さまも何れかの展示会に視察に行き、出展している各企業の情報収集と情報交換を実施して、国内における11ahの市場醸成と拡大に向けた取組みに役立てて下さい。

以上