802.11ah推進協議会(AHPC)第二回総会の模様


 ~11ah 実証実験の結果を報告~

 「802.11ah推進協議会」(AHPC)の第二回総会が、12月5日、東京・日本橋の東陽テクニカ・テクノロジーインターフェースセンターで開かれました。

 冒頭、司会の江副運営委員から、委任状16通を含め58社の参加で定足数を満たしていることが報告され、開会が宣言されました。

 最初に、小林会長から開会の挨拶があり、「802.11ahはWi-Fiに比べて10倍の飛距離があり、LoRaやSIGFOXより10倍高速」のポテンシャルを秘めており、2019年5月からは実験局免許を取得し、特性の評価を行ってきました。各方面からも大変期待をされており、非常に注目を集めています。今後は実験局の追加や多くのユースケースでの実証、関係機関との協議を通して国内普及を推進するとしました。



 ~飛距離2.3kmのポテンシャル~

 続いて、活動報告として北條運営委員より報告がありました。昨年の、AHPC発足からの活動内容として実験局による評価、また920MHz帯の既存システムの利用状況調査およびサービストライアルの実施、今後は商用レベルの新端末やサービス検証エリアの追加などを進めていくとし、さらに2019年度収支についても報告されました。

 また、運営会体制の変更が江副運営委員より、アドバイザー就任及び運営委員の追加、副会長の交代について報告されました 。

 さらに、鷹取運営委員より技術TG活動について、実験免許を取得してから各種特性試験を行い、実環境で1.4kmの飛距離が確認されたと報告がありました。伝搬モデルを考慮すると飛距離2.3kmのポテンシャルを持っています。920MHz帯の他システムの利用状況調査においても、国内各所での調査の結果、非常に時間占有率は低く(1%程度、)802.11ahの活用が期待できる結果となっています。今後の予定として920MHz帯既存システムや隣接チャネルとの共存検討、実験局免許の追加、実ユースケースでの実験、そしてMCA跡地利用に向けての802.11ah利用提案を進めていくとしています。

 酒井運営委員よりマーケティングTGの活動について、802.11ahの特徴からIoTのビジネス市場を大きく変えるポテンシャルを持っており、非常に多くのユースケースによってマーケットの規模が期待できると報告がありました。ワイヤレスジャパンに出展した際には注目を集め550社以上の来場者やメディアのコンタクトがありました。

 また、木更津や小田原での実証実験の様子が報告され、実際のユースケースでも802.11ahが有効に活用できることが確認されました。今後はAHPCの会員からユースケースを募集し、802.11ahならではの利用シーンを募集します。

 今後の活動方針について松村副会長から、技術TGの活動を通して802.11ahの有効性が確認され、マーケティングTGの活動により802.11ahに注目しているプレイヤーが増加していることから、2020年度内の国内利用を目指して関係省庁・団体との協議を進めていくと報告がありました。さらに、会員向けに802.11ahのテストベッドを準備しており皆様のご要望に応えていくとしました。



 ~Frank氏と竹田氏から特別講演~

 休憩をはさみ特別講演としてNewracom社のVP Marketing & SalesであるFrank様より「Enabling IOT Visualization」と題した講演が行われました。802.11ahのポテンシャルや広がり、多様な対応端末などについてご説明頂きました。

 特別講演第二弾として11ah協議会アドバイザーの竹田様から「920MHz帯電子タグシステム等の展望」と題して講演が行われました。920MHz帯の制度化の歴史を紐解き、RF-IDからWi-SUN、LoRa等のシステム追加の説明を頂きました。さらに、MCAの周波数移動が行われ920MHz帯の更なる利用促進の展望を示され、非常に有益な講演となりました。

 最後に松村副会長から閉会の挨拶が行われ、802.11ahの国内利用の推進を会員皆様と進めていくと締めくくり、第二回総会を終了しました。