台湾ベンダーとの意見交換におけるQ&A

Q)ヨーロッパの高速交通での活用が紹介されたが、どのような使い方でしょうか(フルノシステムズ藤井)
A)鉄道車両の先頭から全体への通信に利用している(Reyax Eddy)
Q)IoTが成功しているように見えないが、映像が送れると状況が変わると思うがどうでしょうか。他に何ができると思いますか(NTT研究所 鷹取)。
A)カメラは加速の手段と考えられるのでその通りだと考えます(Brickcom Sean)。
A)映像の利点はあると考えます。連続して動画を送るのには不利ですが、ホームセキュリティのように単発の送信であれば有利に活用できると考えます(Liteon Hsieh)。
Q) 11ahは映像伝送もメリットですが、いままでに映像伝送があれば提案できた案件はありますか(パナソニックコネクト 野口)
A)建築現場、コンテナ操作場がありました(Alfa Mr. Johnson)。
Q)農家のIoTとしてセンサノードが10M個あるそうだが、それは農家全体の何%にあたりますか。また、まだまだセンサは高価だと思うが、投資に対する費用対効果はいかがなものか(NTTBP立田)
A)パーセンテージは不明です。費用については、自治体が50%、センターからも補助が出るのであまり負担になっていないと思う。効果については、生産向上というか面倒な作業が無くなったのでその分を別の労力に使えるようだ(ITRI Dennis)。
Q)多くの台湾メーカが11ahに取り組んでいるが、日本に参入していないのは何か理由があるでしょうか。
A)日本向けモジュールを作っていたが、TELEC認証が未取得であった。間もなく量産して出荷できるステータスである。
A)OEM/ODM製品はお客様との商談が長く、現在は商談中のステータスである。実際にPoCは決まっているが、コロナ影響で行き来ができなかった。伝搬距離の課題が解決できなかったが、これから解決できると思う。
A)2年以上前からIoTゲートウェイを案件ベースで開発着手し、台湾でも使っている。Q4にTELEC認証取得しており、今後は増えていくと思う。
C)台湾メーカからは、たいへん興味のある話が多かった。今回の訪台メンバは各社の責任者が多いので、ぜひ今日の関係を続けて欲しい。
Q)今日のメンバは11ahに積極的な人が来ていると思います。COMPUTEXでは11ahの知名度はまだ高くないと感じたが、実際はどうでしょうか。
A)台湾メーカは、90%以上は海外向け、特に11ahは日本には協議会があるため進んでいる。現在台湾ではそれ程知られていないが、確かに過去2年はスローペースだったが、TELEC認証も取り、これから加速を期待する。
C)競争相手が増えて、チップメーカーも増えて、まさに今年は11ah元年である。すべてのメーカに賛同して欲しいわけではないが、是非ここにいるメンバが成功していきたい。
Q)LoRaはだいぶ前からスタートしているが、台湾での状況はどうでしょう。COMPUTEXではLoRaの展示も多くなかったと思います。
A)LoRa製品を製造しており、台湾市場での出荷量は多い。深く浸透はしていないと思われているが、独自技術を活かして競合も少ないのでメリットはあると思う。
A)チップベンダの観点では、IoTメーカはグローバルに強くしないといけない。今後、スマホのように、グローバルにならないといけない。
A)11ahもスマホのように毎日使うようにならなくては。特にセキュリティはポイント。
C)これまでPHS、Wi-Fiの事業化を進め、LTE、5Gも見てきた経験から、ワイヤレスサービスの成功条件は、端末デバイス/アクセスポイント/サービス・アプリケーションの3つが揃っていないと成功しない。11ahはLoRaやSigfoxより優れた点が多いと思うが、端末の多様性やメニューの少なさが極めて問題である。現在はカメラが主だが、ぜひカメラ以外のセンサ、家電製品、そういう開発をぜひ一緒にやることで11ahを広げていきたい。
Q)11ahとロボティクスを組み合わせた取り組みについて教えて欲しい。新しいことは映像から始まることが多いが、ロボットを動かすには通信機能が必要であり、従来のWi-Fiでは干渉が課題となる。11ahは業務利用のユースケースに絞り込めるので、11ahを通信手段として使うこともできるのではないか。
A)ロボティクスで映像、特にリアルタイム性が要求される。11ahは5Gのようなリアルタイムはできないので、それ以外の方法も必要である。
A)11ahで映像ストリーミングは可能。ただしヘビーな映像は送るのが難しいので、APで画像処理して送るのが妥当と思う(AP側での制御が必要、移動しながらライブストリーミングをするのは難しい)
A)11ahはモーメントのデータを送ることは得意。モニタリング、物流向けの実績がある。

●CIATとのミーティングにおけるQ&A

Q)IoTソリューションとして11ahに期待しているが、カバレッジが広いため干渉の不安がある。(FET)
A)日本では920MHz帯の使用率は1~2%であり、今のところ干渉の心配はない。また周波数の拡大を検討しており、より干渉回避が可能となる。(NTT)
Q)データのセキュリティがより重要になってきているが、11ahのセキュリティはどうなのか?(COMPAL)
A)11ahはWi-Fiと同一のセキュリティなのでWi-Fiと同じレベル。それ以上のレベルのセキュリティを求める場合は、11ah単独の問題ではなくWi-Fiのセキュリティの向上もしくは上位レイヤでの対応が必要となる。(NTT)

Q)11ahはメリットがあるのでワイヤレス市場では必ず展開のチャンスがあると思っている。その上で、①伝送速度が速いと言うことは消費電力が大きいと思うが、なぜ省電力なのか(中華電信)。
A)長時間のsleep機能を設けていることと、伝送速度が速いのでデータ送信のための起動時間を他のLPWAより短くできることにより省電力が可能となる。
Q)ChatGPTなどのAIの進化によりハッカーによるアタックが増えると予想されるがそのためのセキュリティ対策はどうなるのか(中華電信)。
A)セキュリティホールの対策のための端末へのファームウェアupdateに11ahは対応している。また、それ以上の問題については11ah固有ではなくWi-Fiとしてどのようにセキュリティを高めるかの議論が必要。(NTT/Newracom)
Q)11ahのアプリケーションとして映像伝送とセンサのどちらがメインと考えているのか(ATOP)
A)どちらも重要。例えば、普段はセンサ情報を見て異常時に映像で確認するという使い方が考えられている。また、現在でもアナログメータが多いため、アナログメータを読み取るためにAIカメラでデジタル化してデータを送るとともに異常値発生時には映像を送るというようなこともある。(フルノ)